ポルタティーフ・オルガン制作:ふいご再取り付け・パイプ調整・ひと段落

2010/09/26の記録です。
朝から木工室に出かけ9:30すぎ開始。今日中にはひと段落させたいです。10月には大学が再開し講義やさまざまな行事がどんどん押し寄せますから、もういいげん、その準備にとりかからねばなりません。
昨晩コーキングだらけにした背面です。まだボンドが完全には硬化せず白いままですが、もう流れないので作業を進めます。
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あれこれ空気漏れ対策をして再度組み立ててみました。昨日よりは改善しましたが、う~ん、いまいち。パイプを鳴らすのにかなりの圧力が必要で、そこまで圧をかけるとあちこちでのわずかな漏れで空気を沢山ロスします。
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考えた結果、これでは仮にふいごやパレットの気密が完全でも、こんなに高圧をかけなければパイプが鳴らないのでは実用できない、という考えに至りました。パイプのケルンと前フタの間の隙間が少なすぎて、空気が流れにくすぎるのではないか?パイプを調整してみるか。
11:30ごろから別の用事で中断し、18:30くらいから再開しました。パイプの調整も、今までの制作方法のようにケルンを削ってしまうと元に戻らないので、前フタとの間にボール紙を挟んで隙間を増やしてみることにしました。
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数本のパイプでテストして、どうやらよさそうだ、となりました。腰をすえてほぼすべてのパイプに同様の処置を施すと、ずいぶんとよくなりました。これなら曲も弾けそうな感じです。やれやれ。
この調整で鳴りにくくなってしまったパイプも1~2本あります。これは後日じっくり調整もしくは交換することにしましょう。
これまでの試行で高圧をかけたため、ふいごの背穴を塞ぐ板をとめる木ねじが抜けてしまいました。これも後日、長い木ねじで修繕するとしましょう。
今回の空気漏れバトル?で学んだこと: 気密も重要だが、完全な気密を実現するよりは、相対的な空気の流れやすさ(圧力?)の関係が大事であるようだ。パイプ側が低圧で発音するならば、他の場所に小さな空気漏れ箇所があったとしても、ほとんどそこからは漏れず、多くの空気はパイプに無事送られる。ただ、あくまで仮説です。
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さて、時間切れとなりました。現在時刻は20:40。鍵盤がこれからですが、ここまででひと段落とします。多分しばらくのあいだ、ポルタティーフオルガン制作に時間は割けないと思われます。再開まで、安置します。

ポルタティーフ・オルガン制作:ふいご取り付け・空気漏れバトル

2010/09/25の記録です。
寒くなってきて朝は初ストーブ。とこやとホーマックによって、15:30制作スタート。
背中の出っ張りでふいごが取り付けられない問題ですが、背中に出っ張り分の厚さの枠を作って、出っ張りを避けることにしました。余計な構造の分複雑になるし、重くなるし、空気漏れのおそれも増えるのでいいことがないですが、しかたない。
枠を作っています。角は空気漏れしにくいようにカギ状に組み合わせます。
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5mm厚のシナベニヤと革で弁を作り、吸気穴に取り付けました。
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枠を取り付けたところ。この後周囲は徹底的に木工ボンドでコーキングする羽目に。
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ふいご側に、防水気密テープを貼ったところ。このテープは高いだけあってとっても優秀です。
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ふいごを取り付けました。
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この後、背穴をふさぐ板を仮に調達して手で押さえ、テスト。う~~~む、空気漏れです。どこだろう。パイプを鳴らす前にどんどん漏れてしまいます。万事休す。
しばらく空気漏れ探しをしましたが、時刻は21:40。意識もモウロウとしてきたので、可能な限り手当たりしだいコーキングをして、今日は帰ることにします。やれやれ。
寒風をついての自転車での帰宅途中、ふと思い当たる。ねじ止めの下穴を間違えた位置にあけてしまい、別な位置にあけ直したのだった。その間違えた下穴はどうしたっけ…。さっき帰る直前に塞いだ!塞いでからテストしていない!それだ!
というわけで、少なくとも、直径 2.8mm の穴が8個、ふいごには開いていたということです。明日はそこの影響を試してみよう。

ポルタティーフ・オルガン制作:ふいご制作開始

2010/09/23の記録です。
アントレの記事では鍵盤が先ですが、ふいごを先に作ることにしました。理由は以下の通り。 (1) 早く音を出してみたい。(2) 実は別件の S 先生のたたら製鉄教材との関係で、製鉄の炉を吹く足踏みふいごを作れないか、と打診されている。附属小学校で労働の意味合いも含めてデモンストレーションしたい、とのこと。このポルタティーフ・オルガンのふいごを応用すれば作れそうな気がする。急ぎで試作をしたい。(3) リコーダーパンチカードオルガンを、ふいごで演奏したい。これにはバッファふいご(リザーバー)も必要で、試作したい。
というふうに、ふいごはあれこれ応用が考えられるのです。
さて、今日の開始時刻は9:40am。ふいごの前にちょっと、寸法の修正です。カンツェレ板がやはり前ふたとの間に隙間があり、ハゲシク空気漏れします。これをまずは修正。木片を前縁に貼り足して、クランプしています。後でカンナで削って修正しよう、という魂胆です。(後に、実はこれでもまだ足りないことが発覚。もっと徹底的にやるべきでした。多分この修正の部分ははがして作り直しになるでしょう。12月記)
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ふいごは、まず形状を保つために内部に貼る三角形の薄板を切り出します。寸法はアントレの記事どおり。これは木工室に端材として放置されていた 3mm 厚の化粧ベニヤ板を勝手に活用しました。(^^;)
これを写真のように並べ、革を割り当てていきます。このふいごは贅沢に革で全体を包むものなので、革がたくさん要ります。買ってあった革では1枚ですべてをカバーできず、2箇所で貼り継ぐことになりました。
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三角形の薄板を合成ゴム系接着剤で接着していきます。
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薄板を貼り終わって、革を切り整えたところ。
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この時点で、試しにたたんでみました。
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たたんでみると、薄板の三角形の角同士がぶつかってたたみにくいことが判明。ちょっと並べるのがぴったりすぎたようです。三角形の角を切り取って、妥協。
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前後の板を、5mm厚のシナベニヤから作ったところ。
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ふいごをたたんだ状態で、前後の板に革を接着していきます。空気漏れしないように。しかしこれがなかなか難しい。特に角にしわができるので、難しい。
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貼りおわったところ。形になってきました。
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オルガン本体のほうも、くだんの前縁をカンナで調整し、前フタの裏側には革を貼って、本体にねじ止め。口で吹いて試奏してみると、昨日よりは多少よい。
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ここで、問題発覚。このボディーは左右の側板が背板より数mm出っ張る設計なのですが、それが干渉してふいごがボディーに密着しません。はじめ、その出っ張りの内側にふいごがすっかり収まるだろう、と考えていましたが、作ってみると革の折り目が予想以上に板からはみ出し、出っ張りにぶつかってしまいます。困った。設計変更です。
疲れたアタマであわててドタバタしてもよいことがないので、今日はやめにします。時刻は20:40。

ポルタティーフ・オルガン制作:ばね作成・初試奏

2010/09/22の記録です。
ボディーをクランプしている間、ばね作りに移ります。直径1.5mmのピアノ線を、指定の長さに切っていきます。おニューのニッパー大活躍。
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アントレ田中先生方式の、ピアノ線曲げ作業ツールを作ってばねを曲げていきます。アルミのパイプの片方をつぶしてふさいだものです。
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同じくアントレ田中先生方式の、ばね取り付けツールです。でも、これではあっちこっち干渉してうまくいかなかった…。第一この写真ではばねの取り付け方向が逆です。
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干渉する部分を切り取り、ばねの方向も正しくセットすると、こうなります。これを差し込んでばねをはめる。
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ばねをはめ終わったところです。けっこう、苦労しました。大汗をかいてしまった。どうもコツがあるみたいです。練習と経験量が必要か。あと取り付けツールももっと工夫できそうです。
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さっそく、パレットを押す棒「スティッヒャー」として、パレットの支点ピンで切り取られた釘のあたま部分を仮に差し込んで、パレットの動きを確認。まあまあ、よさそう。1~2個ちょっと動きの悪いものがあります。
こうなると、早く音を出してみた~い、となります。前ふたを急いで作り、ハタガネで仮固定して、パイプを何本か立ててみます。
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吹き込み穴に口をつけて、吹いてみます。まだたくさん空気漏れするので、息がたくさんいりますが、まあ、なんとか、鳴るみたいです。ものすごく調子よい、というわけではない。うれしさ半分、くやしさ半分。
今日はここまで。時刻は21:30。

ポルタティーフ・オルガン制作:ボディー本組立

2010/09/22の記録です。
少し間があきました。研究授業ラッシュで時間が空かなかったのと、ばねに使うピアノ線をネットで買って、到着を待っていました。開始14:30。
パレットを押さえておくばねに使うピアノ線は、アントレの記事では太さ1.5mmと指定されています。こんなに太いのは近くに売っていなかったので、ネットで買うことにしました。届いたのがこんなやつ。ついでにこの太さのピアノ線を切ることのできる強力ニッパーも買いました。ニッパーのほうが高い(そりゃそうだ)。
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底板でピアノ線ばねを受ける部品を作ります。穴をあけて、のこぎりで切り込みを入れます。幅1.5mm強の切込みを手ノコで作るのに、マイターゲージをずらして2回切るなど、工夫が必要でした。
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ばね受けを底板に接着します。
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カンツェレ3枚板を載せる、5mm厚の桟を作りました。仮組みしたところ。
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いよいよボディーを本組立します。木工ボンドをつけてはめ込んでいきます。
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カンツェレ3枚板は、アントレの指示ではパレットを輪ゴムで縛ったまま接着してしまいますが、それでははさんだ輪ゴムの分隙間ができそうなので、今回はパレットをいったんすべてはずして組み立てます。
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カンツェレ板を接着し、各所をクランプやハタガネで締めたところ。ハタガネが不足です…。
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続きは次の記事で。